「水が引いて、床も壁も乾いたはずなのに、真っ黒なカビが出てきた」
水害のあと、カビバスターズ静岡にはこうしたご相談が数多く寄せられます。台風や大雨による浸水被害が起きやすい静岡県内では、決して他人事ではありません。
今回は、なぜ「乾いたはずの家」にカビが発生するのか、そして水害後に問題となる黒カビ「スタキボトリス」の正体と、その対処法について解説します。
水害の被害は「濡れること」だけではない
浸水の被害というと「濡れた」ことばかりに目が向きがちですが、実際には次の3つが同時に進行します。
- 汚れ
- 強い悪臭
- 菌の大量発生
浸水した水は、ただの水ではありません。土砂や下水、生活雑排水が混ざり合い、大量のゴミも一緒に流れ込みます。この汚水は建材の内部にまで染み込むため、「洗い流せば終わり」とはいかないのです。表面を拭いただけでは、奥に残った汚れには届きません。
乾いたように見えても、壁の中は濡れたまま
表面が乾いているのにカビが生える原因は、「ダンプネス(湿害)」と呼ばれる状態にあります。
外側は乾いていても、床下や壁の内側には水が残り続けています。いわば壁そのものが加湿器のようになっている状態で、室内の湿度が上がり、カビが一気に増殖してしまうのです。
カビが増える5つの条件
カビが増殖するには、次の5つの条件が揃う必要があります。
- 温度
- 湿度
- 酸素
- pH
- 栄養
特に温度20〜30度、湿度70%以上で増殖は加速します。水害のあとの家は、まさにこの条件が揃った環境です。
栄養はごく微量の有機物で十分で、ガラス面についた手垢でさえカビの栄養になります。
カビはどうやって広がるのか
カビの胞子は3〜6マイクロメートルという小ささで、気流に乗って飛び、条件の合う場所に着地します。そこで発芽し、酵素で建材を分解しながら菌糸を伸ばしていきます。
肉眼で見えるようになるのは、菌糸が密集してからです。つまり、目に見えた時点ですでに「コロニー」になっており、かなり進行していると考えてください。
壁の中でいちばん厄介なのは断熱材
グラスウールなどの断熱材は、一度水を吸うと非常に乾きにくい素材です。壁の表面が乾いていても、内部の断熱材は湿ったまま残ります。
濡れた断熱材は、撤去も視野に入れて判断する必要があります。浸水した家具や建材も同様で、そのまま使い続けると室内環境は悪化し続けます。
真っ黒なカビの正体「スタキボトリス」
水害後に出る真っ黒なカビの正体は、スタキボトリス(通称:ブラックモールド)です。
このカビは壁紙や石膏ボードの紙、つまりセルロースを好んで増殖します。紙のある場所に出やすく、湿った断熱材もすみかになります。
さらに厄介なのは、サトラトキシンというカビ毒を作ることです。吸い込んでも、触れても体に影響があります。
過去に問題となった事例
- 2005年 ハリケーン・カトリーナ
- 2011年 東日本大震災の津波後
- 2018年 西日本豪雨
大規模な水害のあとには、繰り返し検出されています。
体への影響
スタキボトリスによる健康影響としては、次のような報告があります。
- 咳、喉の痛み、呼吸のしづらさ
- 頭痛、めまい、強い倦怠感
- 思考力の低下、物忘れの増加(いわゆるブレインフォグ)
原因が分からないまま悩まれている方も少なくありません。壁一面に広がる見た目や強い悪臭も、暮らしの中では大きな負担になります。症状が続く場合は、まず医療機関へご相談ください。
建物そのものへの影響
カビは人だけでなく、建物にも影響します。カビが出す酵素や有機酸が建材を分解し、アルカリ性のコンクリートを中性化させてしまいます。結果として、建物の寿命そのものを縮めることにつながります。
まず何から手をつけるべきか
最初に大切なのは、構造の奥まで乾かすことです。表面だけ乾いても、内部に水分が残っていれば同じことが繰り返されます。濡れた断熱材の撤去も、そのための判断のひとつです。
そして、しっかり乾いたあとが、私たちカビバスターズ静岡の出番です。
カビバスターズ静岡の対応の流れ
- MIST工法®による除カビ
表面を拭くだけでは菌糸が奥に残ります。MIST工法®は専用剤を素材の奥まで浸透させて菌糸ごと対処します。こすらない・削らないため、素材を傷めません。 - 空間除菌
空気中に浮遊している菌を抑えます。 - 浮遊菌検査
空気中の菌を測定し、日本建築学会の基準で汚染レベルを数値化します。 - 付着菌同定検査
菌の数だけでなく種類を特定するには、表面に培地を密着させる同定検査が必要です。培養は20〜25度で3〜5日かけて行います。早く結果を出そうと温度を上げると、見逃しが起きてしまいます。 - 施工後の再測定
施工後にもう一度測定し、効果を数値で確認します。
まとめ|水が引いたあとが本当のはじまり
水害後のカビ対策は、見た目のきれいさで判断してはいけません。
乾かして、取って、数値で確かめる。
これが基本です。
静岡県内で浸水被害に遭われ、「乾いたのにカビが出てきた」「黒いカビが壁に広がっている」「カビ臭さが取れない」といったお悩みをお持ちの方は、カビバスターズ静岡までお気軽にご相談ください。専門スタッフが現地調査のうえ、最適な対処法をご提案いたします。
動画で見る
今回の内容は、カビバスターズ本部のYouTube「カビ講座」でも解説しています。
